当院の特徴は婦人科と乳腺科の診察が同時に行えるということです。
院長が乳がん術後の経過観察とホルモン治療を行いながら、同時に産婦人科専門医として更年期障害の副作用や月経異常、薬の副作用による子宮、卵巣の変化を診察します。
多くの場合、乳腺科と婦人科は大きく関わりがあるにも関わらず、乳腺術後のフォローとは別に婦人科クリニックを受診することが必要となります。しかし、当院は院長が1人で同時に診察を行いますので10年以上にわたり常に一人一人の患者様の状態を把握し、婦人科、乳腺科両方の立場から術後の最善の治療を提案します。
ホルモン治療中の婦人科検診(主にルミナールA type,ルミナールB type HER2陰性と診断された方)
乳がんの約7割がホルモン依存性で、女性ホルモンの作用によりがん細胞が増殖するといわれています。術後にホルモン療法を行うことで、転移や再発が約半分に減ることが分かっていますので、多くの方が術後も長期にわたりホルモン剤を内服しています。ホルモン剤は化学療法に比べて重篤な副作用がないメリットがありますが、子宮に対しては刺激作用を持つことがありますので、子宮内膜ポリープや子宮内膜増殖症、子宮体がんなどの病気がないかどうか定期的にチェックをすることが必要です。また、卵巣腫大をきたす場合もありますので、エコーで卵巣の大きさの計測をします。
トリプルネガティブtypeと診断された方で術前または術後に化学療法を受けた方
トリプルネガティブtypeの乳がんは比較的若い女性や妊娠中、授乳中の方に多いとされています。抗がん剤の効果を認めた場合はpCR(病理学的完全奏功=顕微鏡レベルで完全に乳がん病変が消失した状態)となることがあり、いわゆる治る癌が含まれます。
しかし、トリプルネガティブtypeの乳がんにおいて使用される抗がん剤は、卵巣機能にダメージを与えるものが多いのも事実です。そのため術後の通院では、乳がん術後のフォローとともに無月経、月経異常などの婦人科の諸症状や挙児希望のある方の不妊治療などに対応します。
乳がんの術後の状態はお一人お一人違いますし、今後の人生設計も十人十色ですので、ご自身の希望にあった治療方法を一度おたずねください。
HER2陽性と診断された方
当院ではハーセプチンという術後の補助療法薬の点滴を行います。 術後に仕事復帰をしながら、乳がん術後治療を継続される方は午後診や土曜診の利用が便利です。
- 再発が疑われる場合は穿刺吸引細胞診や組織診を行います。
- 再建手術を受けられた方はエコーでインプラントの破損の有無についてもフォローします。